通信添削講座
どのような課題でも1課題3000円で課題発表までの間添削指導致します。添削のやり取りはPDF対応でいたします。その間相談・質問等をお受けいたします。
課題については、当方で用意できるものは致します。
5課題まとめてのお申込みは、1課題2500円(500円割引き)の12500円とさせていただきます
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1級建築士試験を受けるための予備知識・アドバイス①
まずは、期間限定のコメントを挙げさせて頂きます。指導歴25年以上、現役講師のドヤ顔のつぶやきですので参考にしてください。
1級の製図試験の指導歴はかれこれ25年になりました。その間には試験制度の移り変わりがあり、難関資格から超難関になってしまった現実を身近に受験生を見て感じています。学科における合格率は20%前後、製図が30%強の最終合格率が10%程度というものです。合格者の平均年齢から見て普通に万全の受験対策しても5年かかって取得できる資格です。ということで目標達成するにあたっては、合格へ向けてのロードマップを立てたほうが賢明です。
そしてここでは、学歴および企業フィルターをかけさせていただきます。旧帝大早大卒、スーパーゼネコンのビッグ5、日建設計はじめとした組織事務所にお勤めの方はここでの話しは対象除外させていただきます。そのうえで文面を見てください。やはり試験ですから理解力・記憶力が求められ、地頭の良い、悪いがどうしても関係してきます。
学科試験合格へ向けて
まずは大手資格学校へ通うための、学科・製図通学コースの150万円、もしくは、製図通学コースのみの費用70万円を用立てなければなりません。
ポイントの①として、このお金のかけ時を考えるのです。
少なくとも普通の学力レベルの人が学科と製図を独学で合格するのは無理です。市販のテキストと問題集をもとに受験対策して臨むぐらいでは、合格基準点には達するレベルには難しく、ましては合格圏の2割の中に入るのは至難の業と考えましょう。この試験は相対評価の試験ということを忘れてはなりません。
そこで、1年、2年目は自分のペース設定をして独学でやってみるのがベターな方法と考えます。テキスト・問題集は大手資格学校が提供しているものに優るものはないので、ヤフオクやメルカリで入手します。1年を通してコンスタントに勉強時間を取り、年1日3時間で年間1000時間を目標に5教科の得点配分をもとに科目ごと勉強時間のメリハリをつけます。計画:環境設備:法規:構造:施工=20:20:30:30:25に配分してスケジュールを組みます。(補助的に安価な通信講座を入れるのもよいです)
これでやって不合格であれば、日建か総合の大手資格学校(TACでも可)の通学コースの選択肢を入れてください。ここでの目的は資格学校をペースメーカーとして位置づけ、自分の合格するための立ち位置を確認する場となります。同時にモチベーションの源にする意味もそこにはあります。1年・2年と自分である程度独学をやってくれば中途の挫折はあまりないと思います。ここで合格するんだという意識を明確に持つことの意味が学費の80万円にあります。3回目の挑戦で学科合格できれば予定通りです。
ポイント②は、どの科目を重点項目にするかというお話しをします。
1級の学科には特徴的な得点配分があります。計画20点、環境設備20点、法規30点、構造30点、施工25点の計125問です。法規・構造で60問全125問の半分に迫る配点、これが何を意味するかというと法規構造は不得意科目にはできないこと、そしてここでより多く得点することが「合格」のふた文字を引き寄せることができるということです。計算上は法規・構造で50点を目標にし、他の3科目は足切り点プラス5点で基準点の90点になります。とにかく法規と構造を中心に時間をかけて勉強することがポイントです。
合格者の大半は法規と構造で50点以上得点している現実があります。
さて、次はメインの製図試験になります。
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その前に一言。最近は試験制度が変わり2級建築士試験を受験せず1級にチャレンジしている人が多いわけですが、私は大学卒業後の1年、2年は2級からやったほうが良いように思います。2級建築士をまずは押さえておくのがこれからの建築人生プラスです。万が一の軽い保険です。大昔は実務2年の間に2級建築士、というわけで私も取得しました。そして1級は少々難関の別物資格というような感じを受けました。再来年の建築基準法改正で木造の在り方が見直されて2級建築士の立ち位置もランクアップするように思います。
それと製図試験における手描き練習は1級にも役に立ちますし、設計製図の考え方の基本を学べますので、大変有効です。この基本は建物規模に関係ありません。私は専門学校でこれを必ずレクチャーしています。
製図試験合格へ向けて
R5.7.21
本日は製図の課題発表日でした。「図書館」がテーマです。とりあえず明後日が学科試験ですので、2回目、3回目の受験生にアドバンテージを与えることなく初回の受験生に配慮したような形にしています。2級の製図試験とは明らかに違います。ここから2か月ちょっとで試験に向き合っていかねばなりません。ここで私がまず伝えたいのは、手書き試験の根本になる、素養がすべての建築人の人たちには備わっていないことです。多くの添削をしてきてまず感じることは、線もそうですが、製図文字と言われるレンダリングができていない人が過半以上ということです。記述の解答に至っては、書けばいいでしょうという感じで、判読できない文字を書いています。これは、見る採点官からすると採点不能と判断されても仕方ない、と思っているに間違いありません。
そこで、ポイント③は、図面と記述回答は採点官へのプレゼンテーションで、伝える判ってもらえる努力は必要です。資格学校の講師は受験生はお客さんなので「こんな図面と記述は読めないから採点しないよ。」なんてことは言いません。
次のポイント④ですが、製図試験は即資格学校で受験対策をしましょう。合格したその年に資格学校で合格に向けて必死こきましょう。合格率は30パーセントちょっと、合格率の割には熾烈な戦いが待っています。初めて学科に合格して初受験の製図も合格する人は20%弱といったところでしょうか。その人たちの属性を推察すると、実務で何も経験なくとも資格学校の言われた通り課題に取り組みなんの疑いも持たず知識を吸収して合格した人の多さに驚きます。そこがこの試験の難しさでもあります。実力もないのになんで受かっちゃうの、という人、実務で設計をやっているのになんで落ちてしまうのよ、(ろくに仕事も分かっていない連中に負けるなんて悔しい)そんな試験なんです。しかし、図面は採点するために採点項目を決めて点数化しているので、その差があることは間違いないです。
R5.7.28
令和5年度の製図試験へ向けての準備がスタートしました。学科試験の難易度からすると合格者の人数を絞っているようなので製図試験2回目、3回目の受験生にはサバイバルゲームの様相かもしれません。課題は「図書館」過去問では平成24年度の「地域図書館」以来です。昨年の「事務所ビル」と同様10年ぶりの課題となっています。定番問題の1つですが、出題内容の難易度がアップしているので、侮れない課題です。
事前に発表されている内容を昨年度の課題内容と比べてみましょう。
R5.7.29
具体的な法令に関する記載がなくなりました。
(注1)建築基準法令等に適合した建築物の計画(建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設、等)とする。
(注2)「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に規定する「建築物移動等円滑化基準」を満たす計画とする。
これについては記述がなくても当たり前でしょう、ということでしょうか。
■注意事項の項目については、「建築基準法等の関係法令」という文言があります。
上記のことに加え、基準法以外の関係法令についても厳しい採点基準を設けるということでしょうか。
R5.8.1
製図試験の面白いところは、地頭はさほど関係ないところにあります。しいて言えば作図提案能力が必要があったほうがよいぐらいでしょうか。講師仲間の人たちは一発で合格した人はあまりいません。資格学校が声をかける人にたまたま一発合格の人がいないのかもしれませんが・・・・・私の知るところでは早稲田や京大出身の講師の方は2度・3度で悩みながら1級建築士製図試験に辿りついています。失礼ですが胸のつかえが降りるようです。そうでしょ、そんなに人生甘くないですよね。1度や2度失敗があっていいんじゃないでしょうか。だから、受講生と対等に向き合えるのではないでしょうか。
ユーチューブの映像見ていると上から目線の講師がいることに怒りを覚えます。合格すればすべて講師目線になっちゃんだから・・・・
R2.10.14
設計製図の要点は、計画・構造・設備の3項目です。そこで、この3点について改めて考えて見ることにします。
(計画編)
設計製図試験における減点されない計画の要点と聞かれたらなんと答えますか?
そこで必ず設計の実務でやらなければいけないことを考えてみることにします。これがまさに落としてはならない要点になります。
実務においては、法規のLVSというのがあります。「採光・換気・排煙」です。講師の指導で居室を外壁側にもっていくこと、すなわちこのためです。その中でも、「排煙」が第一のチェック項目です。試験では「自然排煙」を基本としていますから。「無窓居室」は採光項目の減点ではありません。「採光」はどちらかというと住居系の基準階タイプでのチェック項目です。最近は資格学校でのチェック項目になっていないようですが、総合資格で講師をやっていた頃は、通路・廊下も排煙の対象でした。そこで、行き止まりの廊下はつくらないことが原則でした。いまこれを意識すると、ホールや通路の空間のメリハリができて図面印象度が上がります。ぜひ試してもらいたいと思います。
また、そのほかの法規項目の重要項目は、「2方向避難における歩行距離および重複距離」と「防火区画」が主なチェック項目です。試験元の標準解答例を見ると防火区画は考慮していないように見えますが、資格学校ではそこは落とせない減点項目にしています。「防火区画」は①竪穴区画②面積区画③異種用途区画④高層区画ですが、見落としがちなのが②の異種用途区画で集会目的の200㎡以上の居室が対象となります。要求室の名称としては、集会室や多目的室となります。作図表現としては、2階梁伏図においては、きちんと壁で区画することを忘れがちです。平面図では扉表現を避難方向にする、といったところです。それと、外部に面する吹抜けなどのところに、袖壁90cm以上を表現することも押さえておきましょう。
とりあえず、この3点を意識してください。
そろそろ2年目・3年目の方は、第3ステージの時期です。
大手資格学校での長期講座と言われる、課題発表前の講座も佳境に入っています。低層から基準階タイプ、コミセン系から商業施設系と課題のバリエーションを考えながらの課題設定となっています。教える立場としてもどんな課題をしているのかが興味があるところです。総合資格の課題を作っている人物を知っていますが、この人物は私が講師をやり始めたころの受講生です。その人物が作る課題かどうか判断は付きかねますが、今回の「ホテル」というテーマの課題を見ながら、昔に比べてバージョンアップしています。分類に応じての単独の課題ですが、5課題以上は異例です。昨年もこんな感じだったのでしょうか?
受験生の6割強は総合資格、3割弱は日建学院を利用する感じです。ほかはTACまたはいくつかの通学講座そしてウラ指導・製図comなどの通信講座などです。ここで9割の受験生が大手資格学校に行っていることを考えれば、大手資格学校の採点基準がスタンダードになってしまう現象ができてしまいます。だから、もし独学でするとしたら、どうしても資格学校の採点減点項目は最低でも抑えなければならないということです。しかし、それと同じことをしていてはどうしても遅れをとってしまいます。そこで、資格学校の講師の指導では出てこないような項目があることを知っておくとアドバンテージを持つことができるということです。そんなアドバイスをしたいと思います。
添削だけではありません。質問に対しては時間を問わずメール対応します。
添削に対するご質問に対しては、レスポンスを重視してお応えしています。デスクワークしているときは、常にメールチェックしています。24時間対応までいかなくても、寝ているとき以外お答えするスタンスです。本年度の添削生は有効利用しています。添削1枚3000円以上のコストパフォ-マンスです。
通信添削課題を有効に取り組んで頂くために
課題については、こちらで用意してもよいですし、今通われている資格学校の課題などでも基本的にはどんな課題でもOKです。課題文と添削図面を送って下さい。添削のポイントは、課題文と図面を見て私独自の目線で添削します。なぜ、課題文のみなのかというと、余計な先入観を持たず、出された課題文を忠実に解釈していくことと、その出された図面の建物が実際に建てられたときに、設計主旨・法規的・機能的な部分で満足のいくものなのかを見ていくためです。もちろん、資格学校の講師をしていたので、資格学校が求めているだろうなというところは押さえているつもりです。
先日のお問い合わせの方で、総合資格から日建学院に学校を変えた人のご意見です。変えた一番の理由は、「総合は押し鍋的に減点をどんなものでも1点とし、自分にはどこから優先順位的に修正するのがいいのか、疑問が残った。それに対して、日建学院は減点の度合いをポイントの優劣で差をつける採点方法だった」と言っていました。
これは、一理ある理由です。私もまとまった図面を描けるようになったときの採点は、大中小の減点方式でやっています。その中からプランの優先順位の能力を身につけてもらいたい意図があります。どこかの通信添削の代表者が事あるごとに「木を見て森を見ず」という言い廻しである事象を説明していますが、私も5年以上前からこの言葉を説明の中に入れる便利な定型文としています。まさにこの言葉の意味に近いものがあります。
課題についての取り組み方(その2)
資格学校でエスキスの手順を伝授されます。まず基本ですからその通り課題を解いていけば、課題を何とかまとめることはできます。①アプローチ計画②ブロックプラン③建築可能範囲④建物形状からゾーニングといった具合です。しかし、その手順を踏んでも思わぬ迷路に出くわしてしまうことがあったりします。手順の中に定石みたいものが実はあって、その定石を覆すような課題を出されたときが問題なのです。
例を挙げて説明します。資格学校の教えでは、建物と敷地のアキを最低2m空けて建築可能な範囲をだします。では、なぜ2mなのでしょう?避難経路として使用する敷地内通路の規定が1.5mだから2mが出てきているだけで、避難通路として使わなかったら別に1mでも構わないのです。もう一つ、大体最近は本試験で肯定的環境の公園などが出てきます。環境が良いというだけで公園を見ていませんか?今までの受験生で法規的なアドバンテージで公園を見ている人は皆無です。公園に接する境界線もバカの1つ覚えで2m、なんてしなくてもよいわけで、有効採光を気にすることなく地中の基礎または庇等が越境しなければ0.5mでもOKですよね。
ここでこんなことを書いたのは、H23年度の本試験問題「老健保険施設」で南側に公園があったのですが、タイトな敷地でアキを2mとった解答例を試験元に近い関係者に見てもらったところ、「この解答例ではダメだよ」と言われてしまいました。「南側のアキに意味があるの」 最後に物の成り立ちにはすべて根拠があるものです。
課題についての取り組み方(その1)
「周辺環境の配慮について」
昨年の本課題における「レストラン」「ギャラリー」の位置についての誘導は東側歩行者優先道路にもっていきなさい。というのは課題文に明示され資格学校の出す課題的で親切な記述でした。しかし、屋上庭園の位置については、基本的には4方向どこでも良いというものです。ただし、配置する方向で、「日当たり」や「プライバシー」・「眺望」で減点されかねないというリスクを受験生に抱かせるものでした。そこが試験元の狙い目なんでしょうか?
例を挙げると、標準解答例ではサービス駐車場を東側道路側にもっていき、注釈で夜間利用に限るなんて図面にいれるなんて、まず資格学校で課題をやっていると、まずこれはできません。でも、それをしたから失格につながる減点にはならないということなんですね。要するにプランをまとめやすくする方法の1つの選択肢と考えるということなのです。
私が過去に資格学校で教えているとき、言っていたことを思い出すと、「先入観や思い込みは禁物だよ」とような言葉を受講生に言っていました。一番危険なのは、課題をやり過ぎると過去のやった課題に当てはめてしまうという傾向に陥ってしまうからです。
昨日添削生からH17年度の本試験課題の質問を受けたのですが、とっさにどんな問題かが頭に浮かんだのですが、その課題も、とある先入観によって受験生が陥るようなトラップが仕掛けられていたことを思い出したのです。旧試験では、一発失格事項というのがあって今とは違った厳しさがありました。
とりもなおさず、「周辺環境」から始まる読み取りは、最初の方向性を左右する重要なポイントでもあるので、安易に考えない方がよいかもしれません。